部分編集・拡張の極意

生成された画像が「惜しい！」という状態の時、ゼロから作り直すのは効率的ではありません。 Nano Banana Pro の強力な編集機能（Inpainting / Outpainting）を使えば、ピンポイントで修正したり、世界を広げたりすることができます。

1. 自然言語修正 (Smart Inpainting)

最も簡単で強力な方法は、チャットで修正を依頼することです。 AIが文脈を理解し、自動的にマスク（修正範囲）を作成してくれます。

基本コマンド

Edit: [変更内容]

具体例

• 指の修正: Edit: 右手の指を修正して。自然に見えるようにして。
• 服装の変更: Edit: 赤いネクタイを青い蝶ネクタイに変えて。
• 天気の変更: Edit: 雨にして。

[!TIP] 修正したい箇所を具体的に指定する（“right hand”, “background”, “red tie”）と成功率が上がります。

ケーススタディ 1: 指・手の修正 (Hand Repair)

AI画像生成の永遠の課題である「指」の崩れも、Nano Banana Pro なら高確率で修正できます。

プロンプト例:

Edit: カップを持っている手を修正して。指は5本で、自然に取っ手を持つようにして。

Before (失敗例)	After (修正後)

コツ: 「どうなってほしいか（5本指で、自然に持っている）」を具体的に伝えます。それでも直らない場合は、手動マスク（Manual Inpainting）を使い、少し広めに塗ってから再生成します。

ケーススタディ 2: 不要な物体の消去 (Object Removal)

背景に映り込んだ通行人や、謎の物体を消去します。

プロンプト例:

Edit: 背景で歩いている人を消して。誰もいない通りにして。

コツ: 単に「消して」と言うだけでなく、「何に置き換えるか（誰もいない通りにして）」まで伝えると、背景が自然に馴染みます。

ケーススタディ 3: 背景の拡張 (Outpainting)

「キャラクターの頭が見切れている」「もっと広い風景が見たい」という時に使います。

手順

1. キャンバス設定で、元画像を縮小配置し、周囲に透明な余白を作ります。
2. 余白部分をマスクとして指定します（Inpaint masked area）。
3. 元のプロンプトを維持しつつ、背景の描写を追加して生成します。

プロンプト例:

森の少女、広角、詳細な森の背景、自然にシーンを拡張。

ケーススタディ 4: クリエイティブな追加 (Creative Addition)

元画像にはなかった要素を追加して、物語性を高めます。

プロンプト例:

Edit: 膝の上に座っているかわいい猫を追加して。

Edit: 彼の顔にメガネをかけさせて。

コツ: 追加する物体の光の当たり方（ライティング）が、元画像と一致するようにAIが自動調整してくれます。違和感がある場合は シーンに合わせた照明 と付け加えてみてください。